実践:購買までの導線を設計する「事例2:クラウド会計ソフト①」
前回記事では、生ドーナツというスイーツ店の事例を使って、どのようにペルソナやカスタマージャーニーから導線を作っていくか(スムーズに購入してもらって、その後に繋げるか)という内容をご紹介しました。
今回は商材を変え、個人事業主向けの「クラウド会計ソフト(以下、会計ソフト)」の事例を使って、実際にどのように導線を考えて設計していけばいいかをご紹介します。
また、今回はかなり記事が長くなりそうなので、2つに分けます。まずは顧客像を考え、カスタマージャーニーを想定するまでの内容です。
なくては困るものだから売れるのか?
個人事業主にとって、日々の売上や出勤を管理し、決算や確定申告をするために会計ソフトは必須のツールです。
けれども、ただ「必要だから」「機能が優れているから」という理由だけでは継続して買ってもらい続けることは難しく、さらに導線がスムーズでないと1回目の購入もないかもしれません。 競合製品も多く、さらにネットで購入が簡潔する商材だからです。
また無くては困るとは言いつつ、自力でエクセルで管理することも税理士さんなどにまるっと帳簿付けや決算等を依頼することもでき、代替もできてしまう商材です。
そのため、会計ソフトにもスムーズな購買導線を設計することが必要となります。
ぜひ、ご自身が新しくビジネスを立ち上げる個人事業主や経営者になったつもりで、記事を読んでみてください。
顧客像を考える
導線を設計するうえで、顧客像を考えておくことは重要です。今回のクラウド会計ソフトでは、以下のペルソナを想定します。

前回もお話しましたが、色々な施策は全人類に適しているとは限りません。
けれども施策を無限に打つことは難しいため、まずはご自身のビジネスの主要な顧客層についてその人物像を考えます。
深く考えれば考えるほどより顧客理解も進みますが、時間がかかります。
それよりもむしろはじめはざっくりと粗々で考え、施策を打ち出し、そのうえで改善をどんどん加えていく方が、より早く、顧客に施策をフィットさせてくことができます。
一旦、ざっくりと考えてみましょう。
顧客層
この事例では対象顧客層を一旦以下のように考えました。
- 対象職種:個人事業主(開業前、または開業直後)
- 年齢:30代
実際のクラウド会計ソフトは法人向けや他の年代の利用者も多いと思われますが、今回はこの層に絞ります。
今回のような会計ソフトにおいて、性別はあまり関係ないかな、と私は判断し、性別はペルソナに含めませんでした。
また、BtoBビジネス(事業者向けのビジネス)の場合は、職種や役職、また顧客の業種などを想定しておくことが重要になります。
行動・嗜好
30代の個人事業主全員を主要な対象顧客としているかというとそうではありません。
以下のような特徴を持つ層が対象です。
- 開業仲間との繋がり(リアル・SNS等)やビジネス系インフルエンサーの発信から情報を得ている
- 分からないことはブラウザ検索や生成AIで調べる
- YouTubeでビジネス関連の動画を視聴している
個人で事業を行っている方や行おうとしている方は、同業の横のつながりや、ネット上の効率的なツールをフル活用して情報を集めているイメージです。ビジネス交流会にも少し顔を出していそうな人です。
本音(インサイト)
前回も重要だった「本音(インサイト)」。今回も考えてみましょう。
会計を学んだことのない人は大勢います。「会計知識はない。そもそも確定申告って何?」「記録時に分からないことが出てきたらどうしよう」このような不安が出るのはごく自然です。
私も実際、開業前にこの点が不安でした。簿記・仕訳の知識があまりないため、きちんと自分で帳簿を付けられるのだろうか…と。
また、会計ソフトについてあまり知識がないときは「全部同じに見えて、違いが分からない」ということもありそうです。
さらには「そもそも開業ってどうすればいいのか?個人事業主がやるべきことが分からない」 という本音もありますね。私もそうでした。幸いに周りには独立をしている方がたくさんいたため、お会いしたときにお話しを聞いたりすることが多かったように思います。
お気づきかもしれないですが、このペルソナは開業当時の私をかなりモデルにしています。
こう言った本音の部分を満たしてあげることが購買のポイントになってきます。
カスタマージャーニーを考える
いよいよ顧客の購買までの行動を考えてみましょう。
これまでにカスタマージャーニーには色々なフォーマットがあることをご紹介しました。
今回は、WEBにおける購買プロセスであるAISASをベースにしつつ、インサイトにあった「開業ってどうやればいいか分からない」に対応する「情報収集段階(開業前)」と「記録時に分からないことが出てきたらどうしよう」に対応する「購買後」を追加したモデルで考えてみたいと思います。
実際はカスタマージャーニーをベースにご自身のビジネスに合うステップで考えてもらえれば大丈夫です。
今回はこのような流れで考えます。
- 情報収集段階(開業前)
- Attention(認知)
- Interest(興味)・Search(検索)
- Action(行動)
- Share(共有)・購買後
人間の行動と感情は連続的です。カスタマージャーニーに落とし込むときにうまく各フェーズごとに区切れない場合は多々あると思います。
柔軟に作っていってください。
この会計ソフトの事例では、開業を思い立ったところから始まり、ソフトの存在を知り、比較検討し、実際にお試しをして購入、そして購入後に使い心地をSNSや口コミ等で拡散するまでの導線が考えられます。
各フェーズでの「顧客の感情・考え」と「行動」
各フェーズでは以下のような「顧客の感情・考え」と「行動」が想定できます。

まず「個人事業主として独立をする」と決めてからの情報収集の段階、そしてクラウド会計ソフトに興味を持って、どのように購入までたどり着くかを各フェーズで作成しています。
次回の記事ではこのカスタマージャーニーに合わせた各フェーズでの施策を考えていきます。
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