マーケティングとは?歴史から現代の役割まで

この記事を読まれている方は「マーケティング」に興味のある方か、私の同業者の方でしょうか?

私は新卒1年目から医療機器のマーケティングに携わってきました。その後、15年半の会社員人生の大部分がマーケティング業務でした。長くやってきたけれど、新しい手法もどんどん出てきて、人々の行動も考え方も変化していくため、常に変わり続けて飽きない領域だなあ、と思っています。

これから数回に分けて、私が創業塾でもお話している内容をご紹介していきたいと思います。

ただ、今回の内容は創業塾ではあまり時間がないため、丁寧には話していない内容です。

マーケティングの定義

「マーケティング」と聞くと何をイメージされますか?

最近はマーケターのインフルエンサー的な方がSNSやブログやメディア等で色々と発信されているため、それをイメージされる方もいらっしゃるでしょう。また、派手なテレビCMやSNSでの宣伝活動を想像する方もいらっしゃるかもしれません。何となくWEBマーケティングという言葉が一般的になったため、WEB上で広告を出したり、SNSで発信したりして、そのデータを分析して、それを生かしていく仕事なのかなあ、とふんわり思っている方もいらっしゃるでしょうか。

マーケティングの歴史

マーケティングの歴史は19世紀のアメリカにさかのぼります。19世紀、産業革命によってアメリカでは大量生産が可能な時代が始まりました。

ただ、大量に作っても売れなければ意味がありません。そこでこれまでの営業・販売、という概念に加えて「マーケティング」という考え方が生まれました。

マーケティングを一言で説明すると?

近代マーケティングの父と呼ばれるフィリップ・コトラーはマーケティングを以下のように定義しています。

マーケティングとは顧客のニーズに応えて利益を上げることである。

後で詳しく記載しますが、マーケット(市場)に現在進行形の”ing”という接尾辞が付いて「マーケティング」という言葉になっています。つまり常にマーケットにフィットさせ続ける、ということからこの単語が生まれているのかもしれませんね。

さらにマーケティングで有名なピーター・ドラッカーは、マーケティングの本質について以下のように述べています。

マーケティングの理想は、販売を不要にすることである。マーケティングの目的は、顧客を理解し、顧客に製品やサービスがぴったりと合うようにすることであり、その結果、製品が自ずから売れるようにすることである。

つまり、マーケティングとは、「セールス(営業活動)をなくすこと」を目指す活動であり、具体的には「売れる仕組み」を構築することに他なりません。

顧客の「知る」から「満足」までを設計する

マーケティングは私たちの目に触れやすい「宣伝広告」と混同されがちですが、それはマーケティングの一部でしかありません。本来のマーケティングは、お客様が製品やサービスを「知る」前から、購入後の「顧客満足度」を高めるまでの一連の流れすべてを含みます。

マーケティングの主な活動領域は、以下のフェーズにわたって展開されます。

フェーズマーケティングの役割具体的な活動例
市場調査・分析誰に、何を、どのように提供するかを定義する顧客インタビュー、競合分析、市場規模調査
製品・サービス開発顧客ニーズに合致した価値を生み出す製品の仕様決定、価格設定(プライシング)
流通(チャネル)戦略顧客が容易に製品を手に入れられるようにする店舗戦略、物流の構築、ECサイト構築、販売代理店の選定
プロモーション顧客に製品の価値を伝え、関心を高める宣伝広告、SNS運用、コンテンツ作成
販売・購入体験設計スムーズで心地よい購入体験を提供するWebサイトのUX改善、店舗での接客マニュアル作成、決済方法の選定
顧客維持・LTV(生涯顧客価値)向上購入後の満足度を高め、長期的な関係を築く顧客ヒアリング、アフターサポート、ロイヤルティプログラム、製品・サービスの改良

全く持ってこれらは一例です。ただ、イメージはこんな感じでしょうか。

このように、マーケティングは、単なる「認知獲得」だけでなく、お客様に製品やサービスを知ってもらってから、製品を買っていただき、さらに顧客満足度を上げ、リピーターになってもらうところまでの、全てのプロセスを設計し、実行する活動を指します。これが自動的に流れ、最終目標は営業活動が不要になれば理想!…ですが、それは無理だと思います。

私の中では営業とマーケティングは協働していくべきであり、重なる領域がたくさんあると思っています。例えばBtoBでは営業担当者や販売代理店が使う説明用のプレゼンテーションのベースはマーケティング部門が作ることも結構あります。営業担当者はお客様のニーズを一番知っている人物だと思います。彼等の意見やニーズをしっかりと聞くことで営業担当者が使いやすく、またお客様に訴求できる資料を作成することもできるでしょう。

それはまた別の機会に…

シンプルなマーケティングの成功例

しかし、唯一、マーケティングが成功している例があると私は思っています。しかもとてもシンプルであり、手間のかからない方法です。

それは「道端の無人野菜・果物販売所」。農家さんが多い地域に行くと見かけますよね?最近は無銭で持って行く人がいるなど問題はありますが、あれは唯一マーケティングに成功している例ではないか…と思います。

農家さんが収穫し、販売所に持ってきます(物流)。販売所自体が認知をさせ(認知)、お客さんが自由に手に取れる状態になっており、集金まで勝手に行われています(販売)。そして価格面や製品の鮮度に満足した顧客はリピートをする…(顧客維持・LTV向上)。

シンプルでありながら、マーケティングの最終形態ではないか…!と私は考えています。

重要だと思うこと

これまでの話を踏まえ、私が現代において最も重要だと考えるマーケティングのポイントは、以下の2点に集約されます。

  • お客様(市場)を知り尽くすこと
  • お客様(市場)にフィットさせ続けること

ただですね、この「お客様(市場)」を見つけるのが難しいんですよね…。

お客さんを知り尽くすこと(顧客理解の徹底)

「売れる仕組み」を作るためには、売る相手(お客様、市場)を徹底的に知る必要があります。
曖昧に「こんな人たちに売りたい」ではなく、その人たちが何を考え、何を知りたくて、どうやったら買いやすいのか、を考えつくします。

  • どんな課題を抱えているのか?
  • なぜ、その課題を解決したいのか?
  • 私たちの製品・サービスが、その課題にどうフィットするのか?

顧客理解が深まれば深まるほど、無駄な宣伝広告は減り、必要とされるものがシンプルに明確になります。
宣伝広告をしなくて売れるものの方が手間もかからずありがたいですよね。

紹介だけでお仕事を充実させている人は世の中にたくさんいます。その方々はそういった販路(販売が継続的に見込める販売経路)を作ることをマーケティング施策として選んで実行しているんです(意図したかどうかは別として)。

お客さんにフィットさせ続けること(継続的な価値提供)

市場環境、競合の動き、そして何よりもお客様のニーズは常に変化します。一度「売れる仕組み」を作ったとしても、それは永遠ではありません。

現代のマーケティングは、お客様(市場)と製品・サービスの「フィット感」を継続的に高めていく活動です。
製品やサービスをリリースして終わり、ではなく購入後の顧客の声や、利用データを分析し、「本当に価値が提供できているか」を絶えず検証します。その結果に基づいて、製品を改善し、広告宣伝のメッセージを見直し、流通チャネルを整備し続ける—このサイクルを回し続け、マーケティングの目的である「セールスをなくす」ことに一歩ずつ近づけます。


今回の記事でマーケティングの基礎を知っていただけましたでしょうか?
次回からはいよいよマーケティングプランを考えていけたらと思います。

また、私どもでは、貴社の製品・サービスの強みを整理し、どのようなマーケティングプランを描けばいいか、一緒に作成する支援メニューがございます。
ご興味を持たれましたら、いつでもお気軽にお問合せください。